お写真のお品物は関根伸夫の銅版画です。
関根伸夫は埼玉県出身の美術家で、もの派を代表する作家です。
もの派とは1960年代末に始まり、1970年代中期まで続いた石、紙、綿、鉄板、パラフィンといった「もの」を組み合わせたり、単体で作品とする日本の現代美術の大きな傾向の事です。
関根伸夫を有名にした作品は、「位相ー大地」という作品で、これは地面に円錐状に穴を掘り、その穴にあった土で穴のすぐ側に穴と同じ円錐状の柱を作り表現した作品でした。
また、環境美術研究所を設立し各地でモニュメントを制作し、版画や絵画の制作も行い、韓国と中国を中心に仕事をしています。
お買取りした関根伸夫の作品は、銅版画で、日常の風景の中に石を取り入れた作品の片隅には「重力に反するまで自然石をつむ」と書かれており、もの派を代表する作家ならではの構図でした。
エッチングという技法で製作されており、スケッチの風合いを残した作品でした。