今回、いわの美術がお買取りしたお品物は昭和時代に活躍した洋画家・原精一の油彩画「裸婦」です。
原精一はデッサン力に優れ、多くのデッサン展を開催した画家として知られています。
そのデッサン力の高さから「原精一デッサン集」を刊行しています。 原精一は萬鉄五郎の数少い弟子のひとりですが、萬鉄五郎の画風とは大きく異なり、独特のタッチでがっしりとした骨太なラインの女性像を多く描いています。
また、日中戦争から太平洋戦争の8年間の間に二度にわたって召集を受けました。
その間に一兵士として戦火を潜り抜けながらも従軍画家による戦争の記録画ではない、一兵士としての役目を果たしながらも画家としてスケッチした作品も多く残しています。
今回、お買取りした原精一の油彩画はサムフォール版で、凛とした裸婦が印象的な作品でした。
キャンバスの裏には制作年とタイトル、題名が書かれており、額の裏にはこの絵を販売した画廊の共シールが貼られていました。
外箱や共シールがある油彩画は買取額が高くなります。
油絵具のひび割れなどは見られませんでしたので、良い状態での評価でお買取りさせて頂きました。