今回、いわの美術がお買取りしたお品物はニッサン・インゲルの「秋」という作品です。
ニッサン・インゲルはイスラエルで生まれ、エルサレレムの名門・ベザレル美術学校を卒業し、フランスのストラスブール国立東部演劇センターで舞台装飾や舞台衣装を学びました。
その後、パリに移住し絵画制作をはじめ、数々の個展を成功させると拠点をニューヨークへ移しました。
そこでは抽象画家の作品に影響を受け、聖書やユダヤ教のシンボルに興味を持つようになり、ユダヤ教会のステンドグラスの制作も行いました。
スランプに陥るとパリに戻り、新たな表現方法を模索している時にパリのノミの市で見つけた古い楽譜からインスピレーションを受け、作品にコラージュするようになりました。
もともと音楽を嗜んでいた事もあり、まるで交響曲を奏でるかのように作品を発表してゆき、油絵具、クレヨン、パステルなど多彩な画材を使用して多くの作品を描きました。
今回、お買取りした「秋」というタイトルはイタリアの作曲家ビバルディの「四季」からインスピレーションを受けて制作した作品で、ビバルディの「四季」同様「春」「夏」「秋」「冬」とシリーズで制作しています。
「秋」らしさを感じる色彩の中に次ぎの季節である冬の寂しさを心に語りかけてくるようなそんなお品物でした。
額装に小さな傷がございましたら、作品には目立った傷も無く、綺麗な状態でお買取りをさせて頂きました。