画像の品は以前お買取りした油彩画で「運ぶ」と題されていました。
確かに絵画中央に描かれている人物は何か大きな荷を背負い運んでいます。
作者の堀研は山口県豊浦町の生まれで多摩美術大学を卒業、広島の大学で教授にもなりました。
堀研は現代日本絵画展での大賞、昭和会展での昭和会賞受章など多くの受賞歴を持ち、日本の具象絵画の王道を歩んでいる実力派画家で、大学教授としても学生の制作指導に精力的に関わっていたそうです。
彼は中近東やネパール、アメリカ、メキシコ、中国と各地で取材し、一貫して大自然とその土地に根ざして生き抜く人々を描き続けました。心象風景を描く、そういった作品の多くは今回お買取りした絵画のように茶褐色を主体とした沈んだ色調で表現されています。
堀研の作品では1994年の「風とあるく」など文化庁買い上げとなっている作品もあります。