今回、いわの美術がお買取りしたお品物は遠藤昭吾の油彩画「積みわらの輝き」です。
遠藤昭吾は東京都生まれの洋画家で、川端画学校、阿佐ヶ谷洋画研究所で油彩画の基本を学びました。
その後、自然の風景をモチーフとした写実的な作品を描く集団、新自然協会を設立し、作品発表の場としていました。
この新自然教会には初期メンバーとして、人物などをほとんど残さず、多くの風景画を残した田染幸雄や中村英夫などが含まれていました。
遠藤昭吾の作品は昔ながらの自然の風景から、都会の中に残る貴重な自然風景を描いており、光を巧みに利用した見事な陰影が印象的で、まるでそこに本物の風景があるような錯覚を起こしてしまうような作品が多いのが特徴です。
お買取りした油彩画もタイトルの「積みわらの輝き」というだけあって、収穫が終わった後の積み重ねられた藁が、秋の日差しを浴びて黄金色に輝いている風景を描いており、都会では感じる事のできないものを感じさせてくれるお品物でした。
壁から取り外す時に落としてしまったそうで、額には目立つ傷がございましたが、作品自体には目立つような傷や汚れ、絵具の剥がれもなかったため、良い状態での評価でお買取りさせて頂きました。
油彩画は乾燥に弱く、保管場所によっては絵の具のひび割れや剥がれの原因となってしまい、買取額に影響が出てきますので、後にご売却をお考えの油彩画がございましたら、保管場所には十分注意しておく事をお勧めします。