今回、いわの美術がお買取りしたお品物は、近藤弘明の日本画「魂暁」です。
画号では「こんどこうめい」と読みますが、これは本名では同じ字で「ひろあき」と読みます。
近藤弘明は昭和~平成時代に活躍する日本画家で、文化勲章受章者である山本丘人に師事し、山本丘人の厳しい自然を骨太に描いた力強い画風と心象世界を映し出したような世界感に影響を受け、近藤弘明の作風は、山本丘人とは違った表現で心象世界を映しだしたような作品を描いており、その風景は日常にある風景の霊の世界での顔を映し出しているような不思議な風景画を多く手掛けています。
創造美術展、新制作協会、創画会などで活躍し、多くの賞を受賞している近藤弘明は、中古市場でも注目を浴びている作家の一人です。
お買取りした日本画も「魂暁」とタイトルにもあるように、「暁」は太陽が昇る前のほの暗い頃を指す言葉で、画面も夜と朝の狭間の世界を表現しているように感じ、大地に落ちている虫が魂を持って行かれてしまい、画面中央に描かれた花がその生命を吸って花開いたのではないか…など色々と想像を膨らます事のできる作品でした。
飾られていた物でしたので、額には傷が多数見られましたが、作品自体には特に目立ったシミ、汚れ、傷もなく綺麗な状態でした。
額の裏には共シールと呼ばれる画廊や作家が作品を証明するために作品タイトルと作家名が書かれた物が貼られていました。
共シールがある作品は、貼られていない作品と比べると中古市場でも高く取引されており、買取額も高くなります。