今回、いわの美術がお買取したお品物は、成田禎介の油彩画「白い家」です。
成田禎介は「神秘の風景画」と呼ばれる風景画を描く事でも知られており、明暗をはっきりさせた濃密な色合いで写実的な作風が特徴の洋画家です。
東京で生まれた成田禎介は、高校を卒業すると、青山絵画研究所で小川伝四郎に師事して、当時の美術界では抽象画が全盛期でしたが、ひたすら風景や静物などの具象画を描き続け、独自の画風と世界観を手に入れ、高い評価を得る事に成功しました。
描かれる作品はヨーロッパや日本各地を訪ね、実際に見た風景を描いていますが、どこか神秘的で時が止まったかのような油彩画の他にも版画やデッサンも多く残しています。
今回、お買取りした「白い家」という作品は、ヨーロッパの田舎町の風景を描いたもので、「白い家」というタイトル通り、画面中央に描かれた建物をはっきりと浮かび上がらせるため、周りの色彩の明度を落として描かれています。
成田禎介は、フジテレビギャラリー、三越、高島屋などで個展を開催しており、こちらの作品はそのフジテレビギャラリーで購入したもので、共シールがキャンバス裏に貼られていました。
作品には大きな傷が出来ており、とても勿体なかったのですが、共シール付のお品物でしたので、高い評価での買取となりました。
この共シールは額に貼られている事もございます。
額に貼られている場合は、その額も評価の対象になりますので、査定時には必ずご一緒にしておいて下さい。