今回、いわの美術がお買取したお品物は、高塚省吾のリトグラフ「朝の光」 です。
高塚省吾は、透明感のある裸婦を描き、日本の美人画・裸婦で絶大な人気のある画家です。
今回買取させていただきました高塚省吾のリトグラフは、タイトルに示されるように、やわらかい朝の光を浴びた上半身の裸婦が描かれています。
お買取した高塚省吾のリトグラフ作品には、朝の光を表現する黄色の背景に上半身裸の女性が極めて写実的に描かれています。
裸婦の肌のなめらかな質感などは、いかにも高塚省吾らしさがうかがえる作品となっており、淡い色彩で細密に女性の肌の輝きや美しさをしっかりと表現しています。
高塚省吾は、2007年没後も裸婦を中心に、高い評価で支持されています。
岡山県出身の高塚省吾は、東京藝術大学油画科に進み、卒業後は梅原龍三郎、林武に師事します。初期は、印象主義的な作品を発表しますが、鳴かず飛ばずで、映画会社の美術スタッフなど様々な職で食いつないでいたという時期もあったそうです。
40代に入ると禅の影響から作風が変化し、 1970年代初めには、春陽堂版「江戸川乱歩全集」の表紙を手がけ、「高塚省吾素描集」を出版後、裸婦美人画家としての名声を確立しました。また、小津安二郎の映画タイトルや「朝日ジャーナル」特派員エッセイの挿絵なども担当しました。
高塚省吾は、美術団体には所属せず、個展を中心に作品を数多く発表しました。高塚省吾の作品は、カレンダーやポストカードにもなり、多くのファンに親しまれ魅了し続けています。
