こちらの妖艶な雰囲気漂う作品は、先日お買取致しましたルイ・イカールの銅版画(エッチング)です。
ルイ・イカールは、アール・デコの時代に活躍したフランスの画家です。アール・デコは、1900年代頃の曲線の装飾美術様式 アール・ヌーボーに対して、直線を主体とした様式で、活躍した代表的な作家としてカッサンドル、マッキントッシュ、ラリック、そしてルイ・イカールがあげられます。
ルイ・イカールはまさにアール・デコ時代の社会風俗、文化現象、ファッションを油彩や版画に投影させ、時代の空気を今に伝える重要な作品を数多く残しました。ルイ・イカールは、アメリカ、ヨーロッパを中心として、特に女性を主題とした銅版画で高い評価を受けました。
ルイ・イカールの生きた時代はフランスの女性達の社会進出が大きく進んだ頃で、そのパリの女性達は、イカールの独特のタッチで、時に明朗快活、独立心に富む活動的なモダンガールとして描かれました。また一方で、イカールは深い闇のようなエロティシズム的妖しさを放つ魅惑的な女性達も描き、熱狂的ファンたちを魅了しました。
ルイ・イカールの作品には、小鳥や猫、ファッション、壷、ヌードなどカテゴライズされた作品群が存在しますが、今回お買取したルイ・イカールの作品は、猫の作品群に属するものでしょうか、イカールが得意とする艶やかな女性達が、毛玉と戯れる猫を柔らかな目線で眺めた温かみのある雰囲気で描かれた作品です。ロココ調の優雅さや曲線美、女性達の近代化をも象徴するような時代をも感じられます。
お買取した作品はルイ・イカールの自筆サイン入りで、版数30のうちの一つという大変稀少な銅版画につき、高価買取にて対応させていただきました。
18世紀のロココ美術やルネサンスの古典絵画を反映させた繊細かつモダンな画風で、華やかで優美な女性を魅惑的に描いたルイ・イカール。
いわの美術では、日本でも熱狂的コレクターも多いルイ・イカールの銅版画の作品を高価買取致します。ルイ・イカールの銅版画の他に、リトグラフ、油彩画やパステル画などにも作品により高価買取の可能性がございます。
手放してもよいというルイ・イカールの作品がございましたら、是非いわの美術までご相談ください。