今回、いわの美術がお買取致しましたのは、「ボクネンさん」の愛称で親しまれる名嘉睦稔の迫力ある木版画です。
名嘉睦稔は、沖縄を代表する人気木版画家ですが、その作品からも感じられるように、日本人なら誰もが知る、青森県出身の20世紀の美術を代表する世界的巨匠、棟方志功の影響を受けた芸術家の一人です。
棟方志功は、版画を板画と称し、木版の特徴を生かした作品を一貫してつくりましたが、名嘉睦稔は、棟方志功が用いた「裏手彩色木版画」を使う日本でも数少ない版画家です。
大自然に育まれた豊かな感性を持つ名嘉睦稔の木版画作品は、棟方志功と同じ裏手彩色技法で制作されますが、名嘉睦稔が天才肌と感じられるのは、制作前にまず、版木に向かって祈ってから、取り掛かるといった点です。その後、墨で下絵とは言えない程度の「あたり」をつけ、祈りの中に見えてきたイメージを一気呵成に版木に彫り込みます。
そして、彫る工程が終わると、墨色を摺り、紙を裏返して鮮やかな色彩を一気につけて作品は完成するそうです。
祈りの際に感じたインスピレーションを「一気に」表現していくという名嘉睦稔の作品は、どの作品にも勢いのあるパワーが感じられ、そのダイナミックかつ繊細な作品は、大自然の魂を、名嘉睦稔だけができうる独自の表現力で伝えてくれます。
今回お買取した名嘉睦稔の木版画は、作品下の名嘉睦稔の自筆のエンピツ書きにみられるように「中空舞」というタイトルで、限定部数30部のうちの一作品をお買取させていただきました。大胆な構図で、天女が舞い降りてくる様子が、瞬間性の彫りと、裏手彩色の技法を用いて描かれています。
森羅万象をテーマとする名嘉睦稔らしい、迫力もあり繊細な柔らかさもある素晴らしい作品をお買取させていただきました。
いわの美術では、名嘉睦稔の木版画作品の買取を強化しております。
名嘉睦稔は、アメリカで開催した作品展で、その下絵無しで一気に彫り上げ、紙の裏面より彩色を施す木版裏手彩色の作品が大絶賛され、日本のみならず、海外での評価も上がってきています。
ご売却予定の名嘉睦稔の作品がございましたら、美術品の知識と買取実績豊富ないわの美術に是非、ご連絡ください。
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