今回いわの美術がお買取りさせていただいたお品物は、明治から昭和にかけて活躍した洋画家中沢弘光の「朝の海」という絵画です。
中沢弘光は1874年東京に生まれますが、幼い頃に両親を亡くし、厳しかった祖母の元で育てられました。
幼い頃から絵を描く事が得意だった中沢弘光は、13歳で曾山幸彦の画塾に入り、指導にあたっていた堀江正章などからも絵を学びます。
東京美術学校の西洋画科へ入学した中沢弘光は、その当時東京美術学校で指導にあたっていた画家、黒田清輝に技術を学びました。
在学中に黒田清輝の指導を受けながら、黒田清輝などが発足した団体、白馬会へと入り、活動していきます。
中沢弘光が33歳の時に、文部省美術展覧会が開設されると第一回目から作品を出品し、受賞を重ねていき洋画家としての地位を確立しました。
その後、洋画の勉強をするため48歳でヨーロッパに渡り1年間洋画を学んで、1923年に帰国してその翌年には白日会を創設し自らも作品の出品を行なっていきました。
洋画に対する情熱や功績が認められ、83歳で文化功労者に選ばれます。
中沢弘光は洋画家でもありましたが、優れたデザイナーとも言われています。
卓越したデザインセンスでアール・ヌーヴォーをいち早く取り入れて、与謝野晶子や与謝野寛など多くの著名人が作った本の挿絵や表紙をデザインしました。
中沢弘光の作品は、日本の景色を描かれている物が多く、その精密に描かれた作品はその場所に行った事がなくても行った気分にさせてくれる程忠実に再現されていて、とても素晴らしいと評価を受けています。
今回お買取りしたお品物は、「朝の海」というタイトルで、夜明けの光が海に射しこみ雲や岩などが繊細に描かれています。
油絵で描かれていて、作品にスレ、額縁にカケなどございましたが、油彩画でありがちな絵具のヒビはございませんでした。
カケやスレがマイナス評価になってしまいましたが、中沢弘光の作品とあって高評価でお買取り致しました。
いわの美術では、日本風景の他にも花や女性を描いた物や、水彩画などでも描かれた中沢弘光の作品を高価お買取り致します。 また、中沢弘光が指導を受けた黒田清輝などの作品も高価お買取り致します。
倉庫や蔵から出てきて処分したいけど大きすぎて困っている絵画などございましたら是非一度いわの美術までお問い合わせください。
