今回、いわの美術がお買取したお品物はイタリアの彫刻家アルフレッド・ピナのブロンズ像です。
横たわる裸婦をモチーフにした作品で「SLEEPING NUDE FRANCE」というタイトルがつけられていました。
作品の一部にスレ傷などがございましたが高い評価での買取となりました。
アルフレッド・ピナはイタリアのミラノ出身の彫刻家で、ミラノの有名な美術アカデミーで彫刻を学びました。
その後、活躍の舞台はフランスへと移り、多くの作品を発表していきますが、1914年に第一次世界大戦が勃発し、亡命する事になりました。
亡命先でも彫刻家としての活躍は続き、戦争が終結するとパリへ戻り、モンパルナスに定住しました。
こうしてギャラリーなどで回顧展を行い、アルフレッド・ピナという名は広く知れ渡るようになり、最終的にはフランス国籍を妻と共に取得し、亡くなるまでフランスで活躍を見せました。
ブロンズ像の買取ではいつの時代に作られたものなのかによって買取額は変わってきます。
有名な作家の作品でも、複製作品も存在するため、そういった作品は複製品という評価での買取となります。
ライセンスのある複製品なら良いのですが、有名作家の場合はその名声にあやかり悪徳業者による偽物が作られる事もあり注意が必要で、もちろん偽物は買取る事ができません。
今回はアルフレッド・ピナが存命中に制作された作品という事でしたので、高い評価がつきました。
日本ではあまり知られていない彫刻家ですが、イタリア、フランスでは多大な活躍が見られた彫刻家で、戦争という時代に翻弄されながらも、自分自身の芸術を貫いた彫刻家でした。