富永直樹は、1913年長崎に生まれ本名は良雄と言います。
中学生の頃呉服店のショーウインドウに飾られていた裸婦像に魅せられて高校卒業後彫刻家になるため東京美術大学へ進学します。
東京美術大学では、北村西望・朝倉文夫・建畠大夢という名だたる彫刻家達が教鞭をとっていましたが、富永直樹は同じ長崎県出身の北村西望に彫刻を学びました。
富永直樹の才能は東京美術大学在学中に大きく開花し、在学中の1936年文展に「F子の首」と言う作品を出品し初入選を果たします。
以降、日展を作品発表の舞台として活躍し、1950年から3年間連続で特賞を受賞、その後、展覧会で多数の賞を受賞した功績が買われ、日本芸術院会員に任命されました。
富永直樹が70歳になると長野県茅野市にアトリエを構えて東京と茅野市の2カ所で作品制作を行いました。
アトリエを構えた翌年文化功労者に選ばれ、勲三等瑞宝章を受章し、1989年には文化勲章を受章します。
その後は日展の理事・理事長・顧問となり後世の育成に励み、彫刻界に貢献していきます。
そして93歳でこの世を去りました。
富永直樹が亡くなってからも彼の作品人気は衰えず、2014年には生誕100年を記念した展覧会が長野県茅野市で開催されるなど現在でも多くの方から人気を集めております。
お買取りしたブロンズ作品
今回お買取りしたお品物は富永直樹のブロンズ作品です。
すらっとした体型の少女が猫を大事に抱えている姿がとても愛らしい作品となっています。
富永直樹の作品にしては少し小ぶりですが、繊細に作られた少女のブロンズ像は小さくても目を引くものがございます。
服の細かい模様から幼い少女のふっくらとした顔つき、ネコの毛並までしっかりと表現されています。
今回こちらのお品物は、亡くなられた祖父が集められていたブロンズ像を売却したいという方からお買取りさせて頂きました。
祖父は生前骨董品を集めるのが趣味で部屋いっぱいに様々な品物を買われては飾っていたそうです。
ですが、祖父が亡くなり足が不自由の祖母一人になった時、部屋に骨董品が溢れ歩くのに不便な事に気が付き、娘さんが処分を考えお問い合わせ頂いたとの事でした。
今回お買取りした富永直樹のブロンズ像以外にも増山俊春や加藤豊、藪内佐斗司の作品など多数のブロンズ像や、東山魁夷、絹谷幸二の絵画などもお買取りさせて頂きました。
弊社いわの美術では、富永直樹のブロンズ作品をお買取りしております。
富永直樹の作品の売却をお考えでしたら、お品物の状態も確認したいのでまずはメールやLINEでお品物の画像と大きさなどの詳細を頂ければ査定致します。
また、富永直樹の作品の中には、共箱や鑑定書がついている物もございます。
共箱や鑑定書などの付属品がついていると査定額が少し上がる可能性もございますので、捨てずにとっておく事をオススメ致します。
買取可能なブロンズ作家
藪内佐斗司・加藤豊・高塚省吾・清河宗翠・松久宗琳・小森邦夫
流政之・長田晴山・本郷新・柴田鋼造・玉野勢三などなど