今回いわの美術では、昭和の時代に活躍された村上炳人の鷹の木彫り作品をお買取り致しました。
1916年に富山県高岡市に生まれた村上炳人は、本名を村上丙（むらかみあきら）といい高校では陶芸家を目指すべく工芸彫刻科で学び、卒業後は上京し色彩木彫の第一人者として有名な平櫛田中に師事しました。
平櫛田中に師事してから1年後には、日本美術院で開かれた春季展に出品した作品が初入選するなど早くも才能が開花され始めます。
その3年後には、院展で「鹿」という作品が初入選を果たし、以降院展で毎年入選を重ねるなど工芸家として快調な滑り出しとなりましたが、1942年には戦争が始まり兵役に就いたため一時作品制作を中断せざる得ない状況となりました。
兵役から戻った後は日本美を求め京都へ移住し、古典彫刻を研究しながら作品制作を再開させます。
兵役から帰国して3年後の1949年に開催された第34回院展に出品した「青年像」という作品が奨励賞を受賞、その翌年には奥様をモデルにした「婦女像」で奨励賞を受賞するなど功績を残しました。
36歳の時には、奈良県にある法隆寺金堂の修復作業に参加して、彫刻家である石井鶴三と共に法隆寺金堂の建設で使われている雲斗雲肘木(くもと・くもひじき)の復興作業を行いました。
1959年からは活動の場を二紀会へ移し、数多くの作品を制作し様々な賞を受賞、それと同時に大阪にある四天王寺の八角大燈籠と四天王寺の金堂御本尊にある救世観音菩薩の制作に成功させます。
作品展への出品のみならず、大分県大分市の裏川公園に「ムッちゃん平和像」という作品を展示するなど活躍の幅を広げました。
その後も活躍が期待された村上炳人でしたが、81才で亡くなられてしまいました。
今回いわの美術がお買取りしましたのは、彫刻家の村上炳人が制作して木彫りの鷹です。
残念ながらお品物が入っていた箱はありませんでしたが、お品物の状態が良かったので良い評価でお買取りさせて頂きました。
こちらのお品物は、とある会社の方から「事務所を移転するため片づけていたところ、色々品物が出てきたので見に来てほしい」というお問い合わせがありましたのでお伺い致しました。
事務所内には絵画や壺、彫刻品など様々な品物が飾られておりまして、これらは現在の社長と先代の社長が集められた物だそうです。
また、会社の方から他にも見て欲しい物があるとの事で倉庫に案内され中に入ってみると、先代の社長と現在の社長が集めたコレクションが大量に保管されていました。
社長も現在生前整理中だったらしく、倉庫の中も見て欲しいとの事で香炉や茶器、花瓶、絵画、掛軸、巻物など様々な作品をお買取りさせて頂きました。
村上炳人は木彫り作品以外にもブロンズ作品も手掛けており、そちらの作品もお買取りしております。
村上炳人以外では、同じく彫刻作品を手掛ける籔内佐斗司・桜井祐一・石黒光二・富永直樹・加藤豊などの作品もお買取りを強化しております。
また、彫刻作品以外では、茶道具・華道具・書道具・洋食器・和食器・ガラス工芸品・絵画・掛軸・日本刀・武具・古書・時計・古銭・記念硬貨・金貨・銀貨・和楽器・カメラ・お酒・戦前の品物・古い玩具など様々なお品物をお買取りしております。
今回は事務所移転での処分という会社の方からのご依頼でしたが、個人の方からのご依頼も受け付けております。
遺品整理・生前整理・コレクションの整理・お引越し・家や蔵の解体などでご処分をお考えのお品物がございましたら是非いわの美術までお気軽にお問い合わせ下さい。
