大野勘三郎は木彫りの後藤流の最後の後継者です。
すでにお亡くなりになっているので、現存する作品は非常に貴重なお品となります。
1915年に栃木県で生まれた大野勘三郎は15歳の時に東京都墨田区在住の宮彫り師・後藤桂林に弟子入りしました。
堂宮彫刻(どうみやちょうこく)と呼ばれる深彫り彫刻の技を学び、神社などの軒下や欄間に龍・獅子・花鳥などの装飾彫刻を施します。
30代後半の時に師匠が亡くなり、そのまま師匠の宅を受け継ぐ形で独立しました。
成田山、深川不動尊、湯島天神などのお堂を飾る彫刻などを手掛け、東京都知事より伝統工芸士の称号、労働大臣より卓越技能章を、更には勲六等瑞宝章を授与され、日本でも有数の木彫師として活躍します。
また地元の墨田区でも墨田区登録無形文化財保持者として認定され、仏師や彫師が多く住んで独自の伝統技術で栄えた墨田区のすみだマイスターとしても活動していました。
今回お買取りした玉持龍彫刻は、まさに大野勘三郎の得意技といえる立体感あふれるダイナミックな作品であり、台座付きで状態も非常に良かったので高価買取となりました。
いわの美術では大野勘三郎の作品をお買取りしております。