こちらの御品物は兵庫県のお客様より
御買取りさせて頂きました。
こちらの品物もそうですが、
平野千里は通常、楠(クスノキ)を材料として
使い彫刻作品を制作しています。
楠の木肌は緻密で、耐久性と耐湿に優れており、
飛鳥時代から仏像彫刻に使用されています。
又、楠は樟脳の主成分として昔から使用されており
平野千里の作品は、
箱を開けた際には樟脳の香りがします。
平野千里は粘土で原型を作ったのちに、
実際に木造彫刻の制作をします。
木彫が完成した後は胡粉を20から30回塗り重ね、
ひび割れを防ぎ、木肌をなめらかにするそうです。
そうした表面に日本画で試用する岩絵の具や
金泥を使用して極彩色を描いていきます。
数年間ヨーロッパへ滞在し彫刻を学んだ平野千里
ですが、帰国後は日本の彫刻にあまりない
聖母子像など西洋を題材としていたのですが、
次第に日本の題材が増えていったと言っています。