今回、いわの美術がお買取したお品物は國方林三の銅像で、うずくまる裸婦の姿を作品にしたものです。
女性特有の丸みを帯びた少しデフォルメされたフォルムからは確かな造形力を感じる事ができます。
國方林三は香川県出身の彫刻家で、池田勇八、建畠大夢、北村西望の4人で結成した彫刻の研究団体八手会で活躍した人物です。
日露戦争前後では彫刻家の事を「原型師」と呼んでいたそうで、國方林三の名は「天下一の原型師」として全国に知れ渡っていました。
富山県立工芸学校、太平洋美術会で基礎を学んだ國方林三は、東京勧業博覧会で2等となった事で注目され、文展では連続入選を果たした事でその地位を築き上げました。
このように経歴を見ると東京美術学校(現・東京藝術大学)出身者ではない官展作家は珍しく、現在でも高く評価されている彫刻家の一人です。
今回の國方林三の作品の買取では外箱などは処分してしまったそうですが、良い状態での買取となりました。
銅像は保管場所が悪かったりすると錆びや変色などが起こり良い作品でも買取額に影響が出てしまいます。
また、外箱などがあった方が買取額は高くなりますので、外箱が汚れていたり、壊れていても作品とご一緒にしておく事をお勧めします。