今回いわの美術がお買取り致しましたのは十一代中川浄益の銅製建水 『鳳来麟現』という作品です。
中川浄益は、千家十職の内の1つである金物師代々受け継いできた家柄で、初代中川浄益が浄益という名を名乗り千利休の指導により茶道具を作った事がこの家系の始まりでした。
初代中川浄益の家は代々金物を扱い武具などを製作していたのですが、1587年豊臣秀吉が自身の地位を示す為に開催した大規模なお茶会「北野大茶湯」に招かれた千利休から薬缶を作って欲しいと依頼を受けます。
そこで初代中川浄益が得意としていた打物という技を使い薬缶を作り献上したところ、千利休は作品の出来栄えに感動し、以降初代中川浄益は千家十職の金物師として茶道具の製作を行うようになりました。
この時千利休に献上した薬缶が有名な「利休形腰黒薬鑵」という作品です。
その後、2代目・3代目と引き継がれ、3代目中川浄益は張砂(さはり)と呼ばれる銅を主体に錫を加え、銀と鉛を少量含んだ合金の製作を成功させました。
張砂(さはり)は朝鮮から日本に伝わったのですが、当時の日本では技術的に再現する事が難しかった為、その張砂(さはり)の製作に成功した3代目中川浄益は中川家歴代の中でも鋳物の名手と呼ばれたそうです。
その後も4代目・5代目と受け継がれていき、今回お買取りしたお品物を作った11代目にたどり着きます。
11代目中川浄益が2008年にこの世を去ってしまってからは、跡継ぎがいない為現在12代目が空席となっています。
銅製建水 『鳳来麟現』
今回お買取りした11代目中川浄益の作品は、銅製の建水で縁には瑞雲文が描かれ、側面には『鳳来麟現』という文字が書かれています。
瑞雲文とは、良い事が起こる前兆に現れる雲が文様化され縁起の良いものとされ、『鳳来麟現』という文字の意味は、「鳳凰が来て麒麟も現れる」という前兆を現した言葉となっているのです。
『鳳来麟現』の文字にも含まれている鳳凰と麒麟は中国で神聖な生き物「瑞獣」にも含まれている事から、文様・文字ともに縁起の良いものが合わさったお品物と言えるでしょう。
今回お買取りした11代中川浄益の銅製建水は、京都府の方からお買取り致しました。
ご依頼主の御祖父様が住まわれていたご自宅を解体するにあたり中の品物を買取って欲しいというご相談でした。
そこは御祖父様が先代の方から譲り受けたご自宅で、先代の方が集めた品物も沢山倉庫や蔵の中に仕舞われている状態でした。
長い間空き家になっていたので、すこし状態が気になる物もありましたが、戦前の希少なお品物なども多数出てきたため、全体的に高価買取となりました。
弊社いわの美術では、お引越し・家の解体・生前整理・遺品整理・コレクション整理などで出てきたお品物をお買取り致します。
「使わないから捨ててしまおう」・・・・
「遺品で出てきたが何に使う物か分からない」・・・・
「コレクションも引っ越し先に持っていけないから捨てよう」・・・・
「箱もボロボロで汚いから捨てよう」・・・・などお考えの方はいらっしゃいませんか?
捨てるという選択肢は、まず弊社にご相談してから決めてもいいのではないでしょうか。
捨てる時に費用をかけるよりも、売ってお金がもらえたら嬉しいですよね?
そのお品物、もしかしたらお小遣いかそれ以上の金額でお買取りが出来るかもしれません。
品物の処分に迷ったら是非一度いわの美術までお気軽にご相談下さい。