今回いわの美術がお買取りしたのは豪快な作りが特徴の中川自然坊の朝鮮唐津徳利です。
中川自然坊は、佐賀県に生まれますが幼い頃に父を亡くし母親とともに暮らします。
高校卒業後は家計を支える為に薬品会社に就職しますが、数年後上司から「人に使われるより自分の道を進んだ方がいい。唐津焼とかも有名だから、陶芸家になったらどうか」と言われた事で陶芸家の道を進む事になりました。
その後、24歳で唐津焼の陶芸家・井上東也の元へ弟子入りし、井上東也が所有する鏡山窯から自宅まで往復40㎞の距離を通ったそうです。
また、独立の資金を得る為に地元の農家から野菜を仕入れ、福岡で売り歩いたりなどとてつもない体力の持ち主だったそうです。
修行と資金調達を続ける事5年、29歳で独立し割竹式連房登窯を建て「自然坊窯」と名付けました。
その後試行錯誤を繰り返し自身の作風を築き上げ、32歳で初個展「唐津 中川自然坊展」
を開き、2000年には大井戸茶碗の復元に成功しました。
中川自然坊の豪快で力強い作風は多くの人々を虜にして人気を博してきましたが、心臓肥大症という病にかかってしまいます。
心臓肥大症とは、なんらかの病気などが原因で心臓にたくさんの血液が送られて負荷がかかり、心筋と呼ばれる心臓の壁が厚くなっていく状態です。
この状態ですと病気とは言わないそうですが、良くならず進んでしまうと心臓の動きが弱くなってしまい、息切れ・動悸・呼吸困難にもなってしまいます。
中川自然坊は、手術で一時的に回復を見せたものの病は進み続け58歳の若さで亡くなってしまいました。
朝鮮唐津徳利
今回お買取りした中川自然坊の作品は朝鮮唐津で作られた徳利です。
朝鮮唐津とは、唐津焼の一種で白と黒の釉薬のコントラストが特徴となっており、黒と白の釉薬が混ざり合いにじんだ具合も見どころとなっています。
お買取りした作品も黒の釉薬の上に白の釉薬がかかって混じりあいにじんだ色合いが良い味を出しています。
こちらのお品物は富山県にお住まいの方からお問い合わせを頂き出張にてお買取り致しました、
お問い合わせ頂いた方は骨董品が好きで焼物から絵画、戦前の品物などを集めていたそうですが、自分が亡くなった後引き継いでくれる人が居ない為、処分を検討しているという内容でした。
骨董品は家の中至る所にあるとの事でしたので、まずはお家の中のお写真を頂きそこから大体の査定額をお伝えしご了承頂いたので出張でお伺いするという流れになりました。
いわの美術では中川自然坊以外にも様々なお品物をお買取りしております。
茶道具から絵画・仏像・書道具・アンティーク・日本刀・掛軸・洋食器など、それ以外にもお値段のつくお品物でしたらなんでもお買取り致します。
家の解体・お引越し・遺品整理・生前整理、また事務所・ホテル・旅館などで飾られていた品物の処分をお考えでしたら是非いわの美術までお気軽にお問い合わせ下さい。