今回お買取り致しましたのは、秦蔵六の銀環摘雲雷紋鳳首鉄瓶です。
秦蔵六
秦蔵六は、1823年から続く歴史ある鋳金・金工を製作する家系で、現在は六代目が伝統を引継ぎ作品制作にあたっています。
秦蔵六の原点ともなった初代秦蔵六は、鉄瓶製作で有名な龍文堂に弟子入りし彫金技術を学びます。
昔から手先が器用だった初代秦蔵六の作る作品は、瞬く間に高い評判を集め、日本の第121代天皇である孝明天皇の御印や、将軍・徳川慶喜の黄金印なども製作し、その功績が認められ、明治時代に入ると明治天皇の印鑑も作るなど素晴らしい功績を残しました。
また、初代秦蔵六は中国の古銅器の研究を繰り返し、模作品を数多く制作、その後独立を果たし、彫金技術を後世に伝えていきました。
そして、二代目・三代目と伝統は受け継がれ、四代目は技術力が認められ京都金属工芸協会長に認定されます。
五代目から現代の当主、六代目秦蔵六へと鋳金の技術と伝統が受け継がれ、現在は作品制作を行いながら京都金属工芸協会の理事長を務めています。
蝋型鋳造
秦蔵六が鋳金技法で最も得意とするのが蝋型鋳造です。
蝋型鋳造とは、蝋で作品の原型を作り完成した蝋の原型を土で覆い加熱して中の蝋を溶かします。
蝋が溶けた部分に溶かした金属を流し入れ、冷やし固まったら土を割り出来上がった金属を取り出すのです。
この方法ですと、原型を溶かしてしまう為もう一度同じ作品を作る事は出来ないので、全ての作品が一点ものとなります。
また、秦蔵六が作る作品は、彫刻が細かく美しいお品物が多いのですが、原型を作る素材が柔らかい蝋だからこそ出来る代物です。
そして、この蝋型鋳造は金属が冷やし固まったら終わりではなく、ここからが美しい作品を作る作業となります。
土から出した金属は、まるで何千年もの間土の中で眠っていた土器のように荒れた素地になっているので、この状態から金属本来の輝きを取り戻す為、余分な部分を削って磨くという工程を何十回も繰り返し行う作業が待っているのです。
ですが、この作業を行う事により金属本来の輝きが蘇り素晴らしいお品物へと変貌致します。
銀環摘雲雷紋鳳首鉄瓶
今回いわの美術がお買取り致しましたのは、秦蔵六の銀環摘雲雷紋鳳首鉄瓶という作品です。
銀瓶の注ぎ口には鳳凰の首から頭が描かれ、雲雷文が鉄瓶の周りをぐるっと一周し、蓋の部分には銀環摘が付けられている作品となっております。
秦蔵六が得意とするとても細かい模様が彫られていて、素晴らしい作品でしたので高評価にてお買取り致しました。
弊社いわの美術では、秦蔵六の作品をお買取り強化しております。
ご両親や祖父母の方、ご先祖の方から代々譲り受けたお品物の中に秦蔵六の作品などございましたら、是非いわの美術までお問い合わせ下さい。
また、秦蔵六の作品以外でも様々なお品物をお買取りしております。
買取可能な鋳金作品
大角勲・大島如雲・宮田藍堂・山下如雪・角田庄兵衛・亀文堂・畠山耕治
香取秀真・蓮田修吾郎・山室百世・本間琢斎・内藤春治などなど
弊社いわの美術では、上記作品以外にも様々なお品物をお買取りしております。
中国美術・仏像・茶道具・香道具・洋食器・お酒・日本刀・古書・古文書などなど
お店の閉店に伴うお片付けで出てきたお品物のご売却をお考えでしたら是非いわの美術までお気軽にご相談下さい。