今回いわの美術では、十六代永楽善五郎の『仁清写 春の山茶碗』をお買取り致しました。
十六代永楽善五郎
十五代永楽正全の長男として1917年に生まれた十六代目永楽善五郎は、歴史ある家業を継ぐため京都市立美術工芸学校で陶芸を学びます。
ですが、十六代永楽善五郎が15歳の時父親である十五代永楽正全が急死した事で学校を中退し、家業の引継ぎに向けて準備を進め、18歳で若くして十六代永楽善五郎を襲名しました。
十六代襲名から二年後の1937年に神奈川県大磯城山にある三井財閥十代目が建てた城山荘という別荘内に城山窯を作り、そこで10年間陶芸製作を行っていたそうです。
その後も学校で習った知識と家に代々伝わる技術や伝統を織り交ぜ様々な作品を作り上げ、1958年には源氏物語五十四帖という作品を発表します。
源氏物語五十四帖という作品を作り上げた事で十六代永楽善五郎は高い評価を得て、近年屈指の名工としてその名が広く知れ渡りました。
三千家の職人として作品制作を続ける傍ら、京都伝統陶芸家協会に参加し会長として、京都の伝統技術の発達の為力を尽くします。
その結果これまでの功績が認められ、1983年に第一回京都府文化功労章を受章、1985年には地域文化功労者として認定、翌年は京都市文化功労者に認定されます。
73歳では勲五等瑞宝章を受章するなど数多くの功績を残し、隠居後には名前を十六代永楽即全とし、穏やかに過ごしました。
『仁清写 春の山茶碗』
今回いわの美術がお買取りしましたのは、十六代永楽善五郎が製作した『仁清写 春の山茶碗』です。
こちらのお品物のタイトルにある「仁清写」というのは、江戸初期に活躍された京都の陶芸家、野々村仁清の写した作品という意味になります。
野々村仁清は、轆轤では出せないような滑らかな風合いを出す事を得意とし、この作品が作れる陶芸家が現代でも数少ないと言われている程、轆轤技術が素晴らしい陶芸家です。
また、野々村仁清は二代目もいたそうなのですが、あまり表に出てこなかった為、初代野々村仁清の技術を継ぐ者が居なく、より野々村仁清の作品が希少性の高い物となりました。
作品の美しさから、京焼の祖とも言われているように様々な陶芸家の憧れの的でもあった野々村仁清の作品は、多くの陶芸家が模した作品を作っています。
また、タイトルにもある通り、こちらのお茶碗は外側と内側に春の山が描かれた美しい作品に仕上がっています。
弊社いわの美術では、十六代永楽善五郎の作品をお買取りしております。
茶道を習っていた、先生をしていた方の持ち物の中に十六代永楽善五郎の作品がございましたら是非いわの美術にお譲り下さい。
また、十六代永楽善五郎の作品以外にも様々なお品物をお買取りしております。
買取可能な陶芸作家
蔡暁芳・辻清明・三輪休雪・出口王仁三郎・山田常山・鈴木蔵・清水卯一
楽吉左衛門・加藤孝造・野々村仁清・大樋長左衛門・石黒宗麿などなど
蔵・家の解体、遺品整理、生前整理、コレクションの整理、お引越し、事務所移転などで出てきたお品物のご売却は、いわの美術までお問い合わせ下さい。