今回いわの美術では、白磁作品を製作している井上萬二の白磁緑釉彫文壷をお買取り致しました。
1929年、有田焼の産地である佐賀県有田町に生まれます。
実家は焼物を作る窯元だったのですが、井上萬二は陶芸の世界ではなく軍人を目指し15歳で海軍飛行予科練習生として入隊しました。
翌年復員して故郷に戻った井上萬二は、父親の勧めで十三代酒井田柿右衛門の元で働く事となります。
そして、十三代酒井田柿右衛門の元で働き始めてから7年経った1952年、陶芸家奥川忠右衛門の制作風景を見た事で、井上萬二の心の中に激震が走りました。
作品の美しさはもちろんの事、奥川忠右衛門の作陶技術に惚れ込み「この人に近づきたい」という目標を持ち弟子入りを志願します。
十三代酒井田柿右衛門の元で働きながら奥川忠右衛門弟子として白磁と轆轤の技術を学び、29歳で酒井田柿右衛門窯を退職後、県立有田窯業試験場の技官として勤務する事になりました。
技官として働きながら自身の作品制作や釉薬の研究も行っていた井上萬二の元に、ペンシルベニア州立大学から有田焼の講師としてこちらで生徒たちに教えてくれないかと誘われ、派遣教授として五ヶ月程後世の指導にあたります。
日本に帰国後も活動を続け、1977年に全国伝統的工芸品展にて通産大臣賞を受賞、1987年には第34回日本伝統工芸展で文部大臣賞を受賞という功績を残しました。
そして、1995年には白磁の技術者として人間国宝に選ばれ、1997年には紫綬褒章を受章、以降作品制作をする傍ら後世の指導にも励み、教え子の数はアメリカを含め500人以上にも及ぶと言われています。
現在は、井上萬二窯と平屋建てのギャラリーを設立し、息子と孫の3人で作陶を続けています。
今回いわの美術がお買取りしましたのは、井上萬二の白磁緑釉彫文壷という作品です。
白磁の背景と緑色の草花模様が彫られた部分に緑色の釉薬が掛け分けされた美しい作品となっております。
白磁の作品は装飾などが少なく一見簡単に作れそうに見えますが、陶磁器の中で「完全さ」が求められる種類になります。
装飾がついた陶磁器は、装飾の付け方で作品の雰囲気がガラッと変わりますが、白磁はあまり装飾や模様を付ける事がない為、作品だけで暖かさや柔らかさなどの風格を表さなければならない程難しいのです。
そんな難しい作品ですが、井上萬二は今でも轆轤の前で土に一点集中し美しい作品を作り続けています。
弊社いわの美術では、井上萬二の作品をお買取り強化しております。
家の片付け・遺品整理・生前整理・事務所の整理・コレクションの整理で出てきた井上萬二の作品がございましたら、是非いわの美術にお譲り下さい。
また、井上萬二以外にも、李朝・宋・清朝・朝鮮・明時代や暁芳窯・黒田泰蔵・清風与平の白磁作品などもお買取りしております。
その他お買取り対象商品
茶道具・絵画・版画・煎茶道具・仏像・ブロンズ・彫刻・掛軸・古文書・中国美術・古銭
日本刀・武具・洋食器などなど
弊社いわの美術では、お買取り出来るお品物でしたら何でもお買取り致します。
ご売却お考えのお品物がございましたら、是非一度いわの美術までお問い合わせ下さい。
