お写真のお品物は椋木英三の呉州面取湯呑茶碗です。
6客揃ってでの共箱付で滋賀県の方からお買取りさせていただきました。
椋木英三は河井寛次郎の最後の直弟子で、10年間、河井の元で修行を積み民芸技法を習得しており、師の得意としていた海鼠釉や柿釉、三色釉の作品のほか磁器を制作しています。
河井寛次郎が亡くなると1年間、喪に服していたため制作を中断していた時期があります。
その後も河井武一、河井博次を師としてそれぞれの技術をしっかりと受け継いだ作風で紅蓼窯(のちに紅実窯に改名する)をを築き、号を「椋木春水」と改めました。
お買取りしたお品物は呉州面取湯呑茶碗と箱書きがされており、呉州とはコバルト化合物を含む鉱物の名で作品もコバルトブルーが見てとれます。
また、面取とは陶芸の数ある技法の中の1つで、作品の表面を大胆にカットして削り取った面と面と面の境(稜線)をしっかりと出す技法で、面の数が少なければ少ない程、肉厚に作らないと加工ができない技術なので、少し肉厚に仕上がっています。