今回買取した椿之図本堆朱香合は人間国宝である富樫助次のお品物です。
富樫助次は新潟県村上市の伝統工芸である村上堆朱の塗師です。
堆朱とは中国の唐時代に日本に伝わり、漆の重ね塗りで厚みをだしそこに彫刻を施す技法です。
お買取りした椿之図本堆朱香合は村上堆朱という江戸時代に開発された木地に彫刻を施した上から漆を塗り漆を無駄にしないエコな技法で、細かい地紋をうまく活かせるメリットがあります。
また、よく目にする漆器のつやは鏡のように映りますが村上堆朱は光るようなつやではなく、おぼろ月のようなつやで美しく奥深さを感じるつやけしが特徴で、使い込むほど手になじみ力強く味わいある自分仕様のつやになるのも魅力の一つです。
今回買取した椿之図本堆朱香合は、茶道や香道で使われる香木を入れるのに使用するもので、傷などもなく良い状態のお品物で、共箱付きでしたので高価買取となりました。