こちらは以前お買取りさせて頂きました、朱塗の鯉桶水指です。
鯉桶は名前の通り鯉を入れておいた桶で、昔生きた鯉を桶一双に入れ、天秤棒で担いできた桶の形から造られた水指です。鯉が跳ねて飛び出ないようにと付いている紐が特徴的ですね。
端午の節句に相応しい水指で、初風炉で使用したという方もいらっしゃるかと思います。
鯉桶水指は歴代宗匠の好みによって、塗りや紐の色が異なります。写真の鯉桶水指は朱塗の品ですが、本歌である裏千家5世不休斎好みの品は黒真塗だそうです。
紐の結び方や解き方、蓋の開け方など作法があり、長い紐を見苦しくなく優雅に扱わなければいけません。
蓋は割蓋となっており、蓋に描かれた波模様が涼しげで素敵な水指でした。