旭日形鉄瓶 正田暘谷 今回、いわの美術がお買取りしたお品物は正田暘谷の旭日形鉄瓶です。
正田暘谷は東京藝術大学大学美術館に作品が収蔵されている鋳物師で、栃木県佐野で作られている天明鋳物の鋳物師です。
天明鋳物は、平安から鎌倉時代にかけて徐々にその数を増やしていき、制作される物は仏像、灯篭、装身具、鳴物が中心となっていました。
その後、飛躍的に発展を遂げたのが江戸時代で、当時の佐野にある鋳物屋の数は100件あまりと言われており、鋳物師も300人を超す数がいたそうです。
しかし、明治時代に入ると近代産業の発展とともに鋳造法の機械化などによって天明鋳物は衰退していきました。
現在は天明鋳物の技術と伝統を受け継ぎ、美術工芸品の製作に専念している鋳物師が少なくなってきており、お買取りした旭日形鉄瓶は貴重なお品物ともいえます。
お買取りした旭日形鉄瓶は、天明鋳物の特徴ともいえる全体的に簡素で趣のある独創的な形をしており、所々錆びが出ていましたが、使用する分には問題のない程度でしたので、共箱付という事で買取を行いました。
鉄瓶は使い込むほど内側が白くなり、鉄瓶として最高の状態となります。
お買取りした旭日形鉄瓶も使い込まれていた物でしたので内側が白くなっていました。
ご売却をお考えの鉄瓶の内側が白くなっているからといって売れないと判断するのは間違っていますので、そういったお品物こそ、いわの美術にお譲り下さい。
また、鉄瓶は湿気を嫌いますので、お湯を沸かした後はお湯が温かいうちに中身を捨て、完全に乾燥させてから仕舞うようにすると錆びを防ぐことができ高価買取へと繋がります。