今回、いわの美術がお買取りしたお品物は、前田清峰の金ぼかし武蔵野蒔絵細中次です。
前田清峰は、輪島市蒔絵組合で新人賞を受賞した経歴を持つ輪島塗の作家で、曽又真山に7年間師事し、独立して茶器を中心に輪島塗を作り続けています。
お買取りした金ぼかし武蔵野蒔絵細中次とは薄茶を入れる茶器の事で、円筒形の中央部に合口があるので「中次」と呼ばれています。
薄茶器と言えば棗の実に似ている形状を持つ棗が薄茶器の総称だと思われがちですが、棗も薄茶器の呼び名の1つで、この他にも「頭切「薬籠」「茶桶」「金輪寺」などがございます。
共箱に「金ぼかし武蔵野蒔絵細中次」と書かれていますが、これは作品の特徴を表している事が多く、蒔絵で金ぼかしとススキが描かれており、「武蔵野」とは関東地方の一地域を指す言葉でしたが、中世から近代にかけて「月の美しい野原」を表す言葉として使われるようになり、今回お買取りした中次も金ぼかしが月の光を表しているようにも感じるお品物でした。
目立った傷や汚れもなく使用感が感じられない状態の良いものでした。
共箱も付いていましたので、高い評価での買取となりました。
ご自宅で保管の際、共箱がどこかへ行ってしまったり、他の道具と入れ替わってしまう事がございます。
そういったお品物でも、いわの美術ではしっかりと鑑定しますので、作品と共箱が違っている場合は、正しい物を探してから買取を行っております。
もし、見つからない場合は共箱なしの評価で買取を行います。