こちらのお品物は以前大阪府で出張買取をさせて頂いた茶道具の一つです。
ご自宅でお茶の教室を開いていたそうで、茶釜や水指を始め、茶懐石の器まで様々なお道具をお買取りさせて頂きました。
写真の耳付茶入は14代亀井味楽の作品で、木箱の蓋裏には裏千家15世鵬雲斎の花押が見られます。
14代亀井味楽は高取焼の代表的な亀井家に生まれ、本名を源八郎、味楽という号の他に又生庵という号も用いています。祖父である13代亀井味楽に師事すると、伝統の技法を受け継ぎ、1964年に14代亀井味楽を襲名しました。
14代亀井味楽はきめ細かい土を用いた遠州好みの端正な茶入制作を得意とし、黄釉と呼ばれる伝統の釉薬を用いた作品を数多く制作しています。
2001年、自身の長男である正久に15代亀井味楽を襲名させると、隠居後は又生庵という号を用いて現在も作陶を続けています。
隠居前、亀井味楽としての作品は伝統の技法を守った装飾性の高い作品を制作していましたが、隠居後は200年程前に途絶えたとされていた金彩釉の復元に成功し、個展などで作品を発表し続けています。