こちらは先日お買取りしました十四代酒井田柿右衛門の茶器です。
錦梅鳥文の茶器一式で、共箱付でお譲りいただきました。 錦梅鳥文という文様は、柿右衛門様式の代表的な図柄であり、江時代戸中期より受け継がれている文様のひとつです。
文様の赤い梅の花と緑がかった色の鳥が、それぞれの器の中で絶妙なバランスを保っています。
また鮮やかに描かれた梅の枝先が、器全体に広がりを与えています。さらに、美しい曲線の器形は、柿右衛門様式ならではの余白がこの文様を引き立てています。
十四代酒井田柿右衛門は、2001年には重要無形文化財「色絵磁器」の保持者にも認定され、欧州やアメリカ、ブラジルなどで柿右衛門展を開催、有田焼を世界に紹介するなど、国内のみならず海外でも高い評価を集めました。
酒井田柿右衛門は肥前有田の陶工で、江戸前期から今日まで代々その名が襲名され、花鳥人物文などを描いた色絵磁器(赤絵)は,柿右衛門様式として知られています。酒井田柿右衛門の作品は、江戸時代にはヨーロッパに輸出され王侯貴族を魅了し、日本の磁器の代名詞ともなりました。
今回買取の十四代酒井田柿右衛門は78歳で亡くなっており、現在は十五代が当代となっています。