こちらのお写真は、以前お買取させていただきました霰槌目銀瓶です。
お買取した銀瓶は、純銀刻印のある純銀製の三越のお品で、霰打ち(あられうち)の非常に優美な風情のある銀瓶です。
茶道での銀瓶は、お点前やお盆点前、千歳盆点前などに使用され、煎茶道ではボーフラの代りにお湯を沸かすために使用されます。煎茶を飲むには純銀製の銀瓶が非常に適しているといわれますが、これは銀は金に次いで科学的に安定しているので、純銀製の銀瓶で湧かしたお湯は、余計な金属イオンや夾雑物が溶け込むこともなく、お茶の味と香りを最も正直に抽出することができるからといわれています。
銀瓶は、茶の湯の世界で長い間育まれてきたもので、銀という貴金属を用いる道具でもあることから、贅をつくして製作されてきました。
銀瓶には高価な地金が用いられ、無駄なく、洗練された形状をしています。銀瓶の成形は、一枚の金属塊または厚板を、金鎚を用い打ち延べてつくられます。
銀瓶は、見た目の美しさ、重厚感と、使いやすい重さ、重さの重心を追求して成形された薬缶(やかん)の究極の形状といわれています。銀瓶の底部は五徳が当たるために、ある程度の肉厚をもたせてつくられています。
今回お買取した純銀製鉄瓶は、多種ある銀瓶の中でも、最も人気の高い霰とよばれる突起のついた霰槌目銀瓶です。
「霰」とは、茶道で使われる湯釜の釜肌の装飾技法にもみられるもので、地肌に粒状の細かな突起を浮き出させたものをいいます。 霰は「霰肌」ともいわれ、挽き上がった鋳型に先端が丸まったヘラなどで粒ひとつひとつを押していくことにより作られます。この粒を霰と称していますが、この突起をひと粒作るだけでも、一度ではなく道具を何度も押し当て打ち込まないと綺麗な霰が出来ないのだそうです。
いわの美術では、銀瓶の買取を強化しています。玉川堂や一鶴斎・一松斎・土屋杏平などの銀瓶は高価買取致します。また、持ち手や胴体に龍や鳥などの動物・風景などの象嵌、盛上げ装飾されたものや、蓋の摘みが翡翠になっているものなどは、高価買取に期待がもてます。
黒ずんでいたり、汚れていたりしていても買取の対象となっておりますので、ご売却をお考えの銀瓶がございましたら、是非いわの美術までお問い合わせください。