今回、いわの美術がお買取したお品物はオールドノリタケのキャンディーボックスです。
オールドノリタケとは日本の陶磁器ブランドであるノリタケが明治期から戦前までに制作していた製品の総称で、主に海外へ輸出する事を目的として作られていました。
オールドノリタケの歴史は、様々な苦労を乗り越え世界に通用する日本初のディナーセット「セダン」を完成させ、1914年に輸出がスタートした事から始まります。
この日本初のディナーセット「セダン」は初年度にわずか20セットのみの受注でしたが、4年後には約4万セットが出荷されるようになり、ノリタケにとってディナーセットが主力商品となり、洋食器ブランドとして世界的にも認められるようになりました。
これを受け、1917年に「日本陶器株式会社」と社名を変更、さらに1981年にはブランド名である「Noritake」を社名とし、現在は「株式会社ノリタケカンパニーリミテド」として創業当初の精神を受け継ぎながら生産が続けられています。
さて、今回お買取したオールドノリタケのキャンディーボックスですが、リンゴを女性のスカートに見立て、髪飾りは葉を連想させるような緑色でデザインされています。
昔の製品にはこういった遊び心を見られるものが多く、今の製品にはない楽しみを与えてくれます。
バックスタンプには「日本陶器会社」という文字が入ったデザインが使われており、これは1911~1940年頃に国内向けに生産された製品に使用されていたものです。
オールドノリタケは多くの製品が海外へ輸出されていたため、日本に綺麗な状態で残っているものは珍しく、今回お買取したお品物には若干の傷や金彩の剥がれはありましたが、保存状態は良い方でしたので高価買取となりました。