こちらは以前お買取りさせて頂きましたダリア文のテーブルランプです。
ドーム兄弟は幾つかのサインを使用していましたが、こちらのテーブルランプにはデザイン性に優れたドーム・ナンシーというサインが残されています。
ドーム兄弟というのは19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍していたフランスのガラス工芸家で、オーギュストと、アントナンという二人の兄弟を指します。
ドーム兄弟の工房は二人の亡くなった後も制作を続け、ドームクリスタルの名で現在でもクリスタルガラスの制作を行っているため、現代ドームとの区別のためにドーム兄弟や、サインとして使用していたドーム・ナンシーで呼ばれています。
初期の作品ではエナメル彩色による絵付けの作品が多く、その後色ガラスの粉をまぶす、ヴィトリフィカシオンという技法を多用して、色彩が複雑に混ざり合う重厚な色調の作品を製造しました。モチーフには植物や風景を用いた物が多く、独特の美しさで人気を博しています。