今回、いわの美術がお買取りしたお品物はヘレンドのフィギュアです。
ヘレンドはハンガリーにある陶磁器メーカーで、ハンガリーのブタペストから南西へ110kmの所にある村の名前でもあります。 かつてヘレンドはこの村にあった小さな陶器工場をモール・フィッシャーが買取り、磁器生産に切り替えテーブルウェアの制作を始めるようになりました。
オーストリアの女帝マリア・テレジアが育成したウィーン窯が閉鎖する事になった時は、当時、ハンガリーはオーストリアの統治下であった事からそのデザインを継承する事が許され、ヘレンドはこれを機にヨーロッパの名窯への仲間入りを果たします。
宮廷での宴をヘレンドのテーブルウェアが彩り、オーストリア宮廷と大きく発展していったヘレンドは現在国営となっており、ヘレンドの製品は熟練したペインターの手によって1つ1つハンドメイドで作られており、バックスタンプ付近に記載される品番やペインターのサインも手書きで行われています。
今回、お買取りしたヘレンドのフィギュアはドラゴンを模った菊文様が特徴の東洋趣味のフィギュアで、記載されているシリアルナンバーから世界限定3000体である事が分かります。
ヘレンドはかつて中国陶器の修復を行っていた事もあり、東洋趣味「シノワズリ」を得意としています。
そのため、ヘレンドの製品にはいくつもの東洋趣味を取り入れたテーブルウェアやフィギュアが作られています。
ドラゴンのフィギュアは今回お買取りしたもの以外にも孔雀の羽根が様式化されたうろこ文様のものや、色違い、サイズ違いで発売されています。
今回お買取りした作品には外箱以外にもヘレンド証明書が付いている作品なのですが、お買取りしたものは、外箱のみで証明書は紛失してしまったとの事で、ありませんでしたので、残念ながらその分がマイナス評価となっての買取となりました。