北海道出身の彫刻家です。
日本の現代美術をリードする先駆者的存在として第一線で活躍しており、彫刻家となる前は絵画の制作を行っていました。
北海道で生まれた阿部典英は北海道の豊かな自然に囲まれて育ち、少年時代には日本海に面した東島牧村(現・島牧村)で過ごし、生活や遊びのために身近な素材を利用して道具を工作した経験が、後の彫刻家としての大きな原動力となっています。
阿部典英が本格的に美術と触れ合うきっかけとなったのは高校生の時に美術部に入部した事でした。
しかし、そこでは阿部典英の抽象画は認めてもらえず、方向性の違いを感じた阿部典英は1年で美術部を辞め、独学で作品を制作するようになります。
ちょうどこの頃、書に興味を持ち、多数の作品を残しています。
高校を卒業すると札幌トーヨーゴム株式会社に入社し、デザインなどを担当する傍ら、絵画制作を続けており、行動展で絵画部門新人賞を受賞します。
それらは多色の矩形を連ねた構図、その上を覆う流動的な線、油絵具とゴム糊によるマティエールが特徴的な抽象絵画でした。
その後、前衛美術のグループに参加しながらゴム、メッキ、ウレタンなど工業的な素材を用いた立体作品を発表するようになります。
一例を挙げると職場の工場が製造するゴム長靴の金属型にアルミを流し込み異形の人物像となした作品、石やタワシや金属片でユーモラスな形態を作りメッキを施した作品など、どれも目を引くものばかりです。
こうして北海道を中心に展覧会や個展、グループ展を開催して作品を発表しており、現在も精力的に活動を続けています。