イタリアで活躍した彫刻家です。
具象彫刻を手掛けており、マリノ・マリーニやジャコモ・マンズーらとともに戦後のイタリア具象彫刻を代表する作家として知られています。
ペリクレ・ファッツィーニは唯一の内弟子が日本人女性であった事をはじめ、安田侃などの彫刻家や土方定一ら評論家など多くの日本人が師事、または傾倒した人物です。
そのため、日本でも大規模な巡回展が開催されています。
ローマの美術アカデミーで彫刻を学んだペリクレ・ファッツィーニは肖像彫刻でデビューしており、人体の動きをとらえた作品で独自のスタイルを確立します。
特に踊り子をモチーフにした作品が多く、優美な曲線と抒情性を特徴とした作風を展開していきました。
フィレンツェとローマの美術アカデミーで教授として後進の指導にあたっていたペリクレ・ファッツィーニは自由補任主義で、生徒たちに自由にさせてその能力を引き出していきました。
これは簡単に技術を教えるのではなく、自分の個性を生み出す苦しみを繰り返し、それを乗り越えた上でペリクレ・ファッツィーニがその個性をうまく引き出すように誘導する事で、強い精神力を持った彫刻家を生み出していきました。
そんなペリクレ・ファッツィーニの業績を記念して、1990年に誕生の地であるイタリア中部マルケ州グロッタンマーレに、「ペリクレ・ファッツィーニ賞」が設けられ、審査委員会によって選考された一名の彫刻家に与えられるイタリア国内での権威ある賞が設立されています。