ブロンズ像(銅像)はブロンズ(青銅)を素材として作られる像の事で、ブロンズは銅と錫などの合金で、銅85%、錫5%、亜鉛5%とその他で構成されています。
主に歴史上の人物や功績があった者を形に残しているものや、動物やモデルを用いた人物像などの芸術的な像などがあります。
銅を英語で言うと「Copper」ですが、日本ではブロンズの事を「銅」と表記します。
これには理由があり、日本で英語が世間でも知られるようになり、西洋文化が入り始めてきた頃、金属の像は「Bronze statue(ブロンズスタチュ)」と呼ばれていました。
それが次第に「ブロンズ」という言葉と「像」が組み合わさり「ブロンズ像」と呼ぶようになったといわれています。
そんなブロンズ像ですが歴史は古く、現存する世界最古のブロンズ像はエジプト考古学博物館(カイロ博物館)所蔵のエジプト第6王朝ペピ1世の像があります。
日本では飛鳥時代から金銅仏の制作が行われており、東大寺の奈良の大仏もブロンズでできていますが、これまでに人物をかたどったブロンズ像は造られていませんでした。
日本初の西洋式のブロンズ像が登場するのは、兼六園の明治紀念之標・日本武尊の像で、ブロンズは耐久年数が長い事から、野外彫刻でもよく使われています。
こうして日本でも様々なブロンズ像が造られてきましたが、第二次世界大戦の影響で政府は「金属類回収令」をだし、軍人像も例外なく再利用されてしまいましたが、戦後に多くのブロンズ像が復元されました。
このようにブロンズ像が造られる目的としては芸術的表現のもの、土地に残る伝承を伝えるもの、偉業を成し遂げた人や動物をたたえるもの、待ち合わせ場所の目印のもの、個人崇拝の対象のものなど、様々な目的があります。
ブロンズ像の制作には技術的にも難しく、コストもかかる事から簡単に手を出せるものではありませんが、日本を代表する彫刻家である平櫛田中や荻原守衛はブロンズ像の技法を用いてたくさんの作品を残しています。