愛知県出身の昭和~平成時代に活躍した日本の彫刻家です。
旧来の枠にとらわれない人間性の表現をテーマに、歴史上の人物や聖人たちや自身の体験などをモチーフにした作風で知られ、ブロンズやテラコッタの作品を数多く手掛けている事で知られています。
愛知県瀬戸市という焼物の街で生まれた長江録弥は、17歳になると上京し、多摩帝国美術学校彫刻科に入学しました。
しかし、太平洋戦争の激化により、多くの学友たちが戦場へ駆り出され、長江録弥も召集を受けます。
終戦を迎えると戦火で焼失してしまった多摩帝国美術学校を再建しようとする学友たちの呼びかけを知り、帰郷していた長江録弥は再び上京し、多摩帝国美術学校の再建に参加しました。
卒業後は帰郷する事なく、川崎市高津区に自宅兼アトリエを構え、彫刻家として制作活動にあたりました。
50年余りの彫刻家活動を行った長江録弥は比較的多くの動物作品を残しており、ペンギンやペリカンなど可愛らしい動物の彫刻作品を幼稚園や小学校に制作設置しています。
しかし、当時の予算の都合でそのほとんどがセメントで制作されており、セメントが雨ざらしの状態での寿命は15~20年といわれているため、そのほとんどが鑑賞に耐える原型をとどめていないそうです。
そんな長江録弥は日展で活躍を見せ、日本芸術院会員として非常に多くの作品を残しました。