アメリカ・ニュージャージー州出身の彫刻家です。
人体から直接石膏で型を取った作品で知られており、その手法は石膏を染み込ませた包帯を体に巻きつけるという斬新な技法という事で注目されています。
そのため、服を着たままの人物の彫刻を制作する事に成功しており、日常のワンシーンを切り取ったような作風が人気を呼んでいます。
また、画家としても活躍していた事からセザンヌやピカソの静物画を立体化した作品も残しています。
西ヨーロッパから移民してきた両親を持つジョージ・シーガルは、家族で養鶏業を営んでいました。
ニューヨーク大学で彫刻、デッサンを学びましたが卒業後は養鶏業を始め、そのかたわらで地元の高校で美術と英語を教えていました。
ある日、養鶏業を辞め、鶏舎をアトリエにしたジョージ・シーガルは、本格的に絵画や彫刻の制作を始めるようになります。
そこで制作された作品は、アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインらと参加したニュー・リアリスツ展で注目を浴びます。
ジョージ・シーガルがさらに注目を浴びるようになったのは、石膏を染み込ませた包帯を体に巻きつけた人間を型にした作品でした。
当初は包帯の外側に石膏を染み込ませ型をとっていましたが、包帯の内側に石膏を流し込む「インサイド・キャスティング」という技法を生み出し、表情や洋服のシワなどをもっとリアルに表現できる作品を生み出しました。
この作品は社会的に反響を呼び、アメリカ国内だけではなく、パキスタンや日本など海外でも個展や巡回展を行うほどの人気を得る事となり、亡くなった現在でもジョージ・シーガルの作品は高く評価されています。