イタリア・フィレンツェ出身のイタリア人の画家、彫刻家です。
イタリア・トランスアヴァンギャルド運動の主要メンバーで、エンツォ・クッキ、フランチェスコ・クレメンテとともにその名前の頭文字をとって「イタリアの3C」と呼ばれています。
トランスアヴァンギャルドとは1970年代後期から1980年代にイタリアと西ヨーロッパの一部で起こった芸術運動で、「アヴァンギャルドを超えたもの」という意味を持ちます。
前衛芸術運動であるコンセプチュアル・アートを否定し、感情の中でも喜びを絵画や彫刻に導入したものでした。
サンドロ・キアはルネッサンス以降のイタリア絵画に、近代絵画の様々な手法をとらえ直しながら独自の具象的な世界を作り出しました。
フィレンツェの美術アカデミーで学んだサンドロ・キアは、1980年代にイタリアで起こったトランスアヴァンギャルドの中心的作家として注目され、当時の芸術を好む富裕層に支えられ急激にその存在感を示していきました。
ヴェネツィア・ビエンナーレに度々出品しているサンドロ・キアは、アムステルダム市立近代美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ベルリン国立美術館など、世界の主要美術館で個展を開催しており、世界的に活躍する人気作家として認められました。
画家として活躍する一方で、モンタルチーノのカステッロ・ロミトリオをワイナリーにし、自らの手でワインの生産を手掛けており、そのワインのラベルも自分の作品を使用しています。
サンドロ・キアが生み出したワインも良い評価を受けており、ワイン通の間では密かに知られている存在となっています。