山口県出身の昭和~平成時代に活躍する日本の女性彫刻家です。
生き生きとした女性像で知られる佐藤忠良らが創設に尽力した東京造形大学の一期生で、佐藤忠良のモデルを30年ほどつとめていた事でも知られています。
女性像を中心とした具象彫刻家として活躍し、多くの作品を制作しています。
笹戸千津子は建築家の長女として生まれ、当時は長女が家を継ぐ事が当たり前の時代だったので大学の建築科を受験しますが、美術への強い思いを捨てきる事ができず、父親に浪人する事を伝えました。
しかし、浪人する事は受け入れてもらえず、代わりに東京造形大学の二次募集を受ける事が勧められました。
美術大学受験に必要なデッサンなどの勉強はしていませんでしたが、藁をも掴む思いで東京造形大学を受験し、無事に入学を果たします。
東京造形大学はできたばかりの大学だったので、先生と生徒で一緒になって仕事場を作っていきました。
特に佐藤忠良の作品モデルをつとめた事はとても勉強になり、大学を卒業した後も佐藤忠良のアトリエに入り、制作活動を行うようになります。
佐藤忠良の作品モデルと自らの制作活動の両立はとても大変なものでしたが、とても充実した日々を送りました。
こうして笹戸千津子は佐藤忠良の制作姿勢を受け継ぎ、人体にこだわった作品を制作するようになり、男性から見た女性像では表現できない、女性から見た凛とした強さやしなやかさ、優しさを表現するようになります。
作品のほとんどは日本各地で行われている個展で発表しており、パブリックアートも日本各地で見る事ができます。