東京都出身の大正~昭和時代に活躍した日本の彫刻家です。
文展、帝展、日展で活躍し、日本初の本格的な彫塑専門団体・構造社を創立した事で知られています。
作品は主にレリーフやメダルが多く、晩年の作品には社会的風刺を求めた作品も見られました。
東京美術学校西洋画科に入学した斎藤素巌ですが、卒業してから彫塑を学ぶためにイギリスへ渡り、ロンドンのロイヤル・アカデミーに入学しました。
帰国してからは文展で活躍を見せ、出品・受賞を重ねていきます。
その後の帝展、日展にも出品を重ね、官展系の中心作家として活躍しますが、その審査方法に異論を唱え、日本で初めての民間美術団体・構造社を創立します。
構造社は日名子実三とともに彫刻と建築の総合をめざして創立したもので、毎年展覧会を開き、そのテーマとしてしばしば建築と彫刻の融合を試みた作品を発表しました。
精力的に制作活動を続けた斎藤素巌は、たくさんの作品を残しており、斎藤素巌がこの世を去ってから遺族によって240点を超える石膏原型が東京都小平市に寄贈されました。
東京都小平市は斎藤素巌が30年以上制作活動の拠点とした場所で、寄贈された石膏原型は東京都小平市によって保存され、その中のおよそ50点がブロンズ鋳造されました。