デンマークのユトランド島で生まれた彫刻家、デザイナーです。
デンマークの陶磁器メーカーのビングオーグレンダール(B&G)でフィギュリンをデザインしていた事で知られています。
ビングオーグレンダールは先に創業していたロイヤルコペンハーゲンの対抗馬として設立された陶磁器メーカーで、ロイヤルコペンハーゲンを超えようと、国内外から著名なアーティストを招いてデザイン力に磨きをかけていました。
ダール・イェンセンもそんな時にビングオーグレンダールで活躍し、名声を高めた一人で、デフォルメを織り交ぜた動物のフィギュリンを得意とし、生き生きとした造形となっているのが最大の特徴です。
幼い頃から工作が好きだったダール・イェンセンは、デンマークの王立美術大学に進学し、ヘルマン・ヴィルヘルム・ビッセンに彫刻を学びました。
ヘルマン・ヴィルヘルム・ビッセンはデンマークの彫刻家として、後世の彫刻家たちに大きな影響を与えた人物として知られています。
ダール・イェンセンはそんな師から彫刻の基礎を学び、卒業後はデンマークの陶磁器メーカーであるビングオーグレンダールに入社しました。
ビングオーグレンダールではフィギュリン制作を担当し、王立美術学校で彫刻を学んでいた事から、次々と秀作を生み出し、人気作家として名声を手に入れました。
1916年にはビングオーグレンダールによってノルデンという陶磁器メーカーが設立され、力量を買われたダール・イェンセンは、マネージャーとして迎えられました。
その後、ビングオーグレンダール、ノルデンを退職し、独立すると自分の名前と同じダール・イェンセンを創業し、動物をモチーフにしたものを中心にフィギュリン制作に励みます。
東洋人をモデルにしたフィギュリンも制作するようになり、この世を去るまで精力的に活動を続けました。
ダール・イェンセンがこの世を去ってからも、妻と息子によって生産は続けられましたが、最終的に工場は閉鎖となり、現在は生産が終了しています。
一方、ビングオーグレンダールでデザインを手掛けたフィギュリンですが、ビングオーグレンダールがロイヤルコペンハーゲンに買収された際に引き継がれたフィギュリンの数が少なく、現在では入手が困難な作品として日本でも高い人気を誇っています。