オランダ出身の彫刻家、物理学者で、動く美術作品または動くように見える美術作品であるキネティック・アートを手掛けている事で知られています。
物理学と芸術を融合させた作品を展開しており、風力で動作するストランドビースト(オランダ語で砂浜の生物という意味)を生み出し話題となりました。
このストランドビーストはコンピュータ上の仮想生物として生まれ、パイプやペットボトルを組み合わせ、風力だけで生き物のように動くような構造をしているのが最大の特徴です。
これまでに砂の上で動くために必要な仕組みを追求し、風を動力としながらも無風でも移動する事ができるように体内に風を蓄えておけるような構造を追加したり、水を探知して避けるような仕組みなどを追加していき、テオ・ヤンセンはこの事を「進化」と呼んでいます。
こうしてテオ・ヤンセンが生み出すストランドビーストは芸術作品でありながら、芸術生物という新たなジャンルを確立しました。
デルフト工科大学で物理学を学んだテオ・ヤンセンは、しばらくしてから画家へ転向し、物理学と芸術を融合させた作品の模索を始めました。
こうして、ストランドビーストの制作が始まり、その全てに動物のような名前を付けてきました。
コンピュータが組み込まれているような動きを見せるストランドビーストですが、動力は風のみで、その不思議な動きは様々な国でCMに起用されており、日本でも中外製薬のCMで話題となり、個展も度々開催されるほど注目を浴びています。
テオ・ヤンセンは、ストランドビーストは「生き残る事」を目的として日々進化していると言い、現在も新たな可能性を見出す事に力を注いでいます。