満州・奉天(現・瀋陽)生まれの昭和~平成時代に活躍する日本の彫刻家です。
流木や埋もれ木を好んで彫刻材料として使用し、木本来の生命力や暖かみをいかした作風が特徴です。
北海道の阿寒湖畔でイチンゲの店という店舗を構え、そこで自らの作品を展示販売しています。
そのため北海道の大自然やアイヌの文化を取り入れた作品が多く、高いデッサン力と技術力で作品を生み出しています。
幼い頃に肺炎によって高熱を出し、それが原因で難聴になってしまった瀧口政満は、戦後になってから千葉県にあったろう学校で木工やデッサンを学びました。
こうして耳に障害があっても生活できる術を手に入れた瀧口政満は、東京のインテリア製作所に就職します。
そして一人旅をして北海道を訪れた際、阿寒湖畔の土産物店の店先でアイヌの青年が木彫りをしている姿が目に留まりました。
その活気と技術、迫力に感激すると東京での仕事を辞めて、北海道に移住する事を決意します。
アイヌ民族の出身ではありませんでしたが、釧路工芸企業組合に入り、本格的に木彫りを始めるようになりました。
瀧口政満は耳が聞こえない分、「木がイメージを伝えてくれる」と、木の曲がりやこぶなどの個性を作品の一部として表現し、唯一無二の作品を生み出してきました。
その作品は釧路、札幌、千葉、東京などの個展で見る事ができます。