備前陶彫の第一人者として知られる浦上善次は、岡山県重要無形文化財の保持者で、動物の置物、オブジェ、レリーフを備前焼で制作する事を得意としています。
その作品は写実的で生命感溢れるものが多く、今にも動き出しそうな作品も存在します。
そんな浦上善次ですが、西村春湖からヘラ技術を、北村西望には彫塑、内藤伸には木彫、岡田三郎、大久保作次郎からデッサンを学んでおり、それらの全てが作品にいかされています。
その活躍は日本国内だけではなく、海外でも見られ、フランスのル・サロンやサロン・ド・パリなどで受賞した経歴の持ち主です。
備前焼は釉薬を掛けず、窯の中で窯変が起こる事で様々な景色を持って生まれる焼物なのですが、ただ単純に窯に入れて焼くのではなく、どういった景色が生まれるのかを計算して窯入れをしなければなりません。
浦上善次はその絶妙な焼き具合と細かく巧みな技術によって最高のバランスの作品を生み出しています。
動物などの置物やオブジェを得意としていますが、茶碗、ぐい呑、徳利など日常使いの備前焼も手掛けており、多くのファンがいます。
その実力は国の重要無形文化財の保持者として認定されるほどだといわれていましたが、認定を受けずにこの世を去っています。