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松井康成

松井康成
松井康成(1927~2003)
長野県出身の昭和~平成時代に活躍した日本の陶芸家です。
重要無形文化財「練上手」の保持者に認定され、その技法を様々に応用して微細な傷を入れた板土をロクロでゆっくりと回して裂傷文を作る「嘯裂(しょうれつ)」を筆頭に、堆瓷(ついじ)、茜手、風白、破調、晴白など独自の手法を発表し、陶芸界に大きく貢献しました。
晩年には「玻璃光(はりこう)」という硬質の輝きを宿した技法を確立し、土なのに磁器のような風合いを感じる事ができます。
 
明治大学文学部を卒業した松井康成は、茨城県笠間市にある月崇寺の住職の娘と結婚した事で月崇寺の住職を継ぎ、その境内に窯を築いた事で陶芸家としての道を歩み始めました。
中国陶磁の技法の研究を行い、中でも中国宋代の名窯・磁州窯の作品に倣って作陶を行っていましたが、同じ栃木県で活躍していた田村耕一に師事すると、性質の異なる土を重ねて成形する練上の技法で作陶を続ける事をアドバイスされ、松井康成は練上の手法の研鑽に励みます。
性質の異なる陶土を使用するという事は土の収縮率の違いから乾燥や焼成の段階で割れる事が多く、松井康成も失敗を重ねながら練上の技法に必要な高度な技術を体得していきました。
その技術の一つにロクロを使って練上の技法を使うという大胆な試みがあります。
通常、練上の技法でロクロを使用すると模様が流れてうまく制作する事ができませんが、松井康成はロクロに円筒を置いて粘土を巻きつけてから模様を整え、その円筒を抜き取ってからロクロの遠心力を使って内から外へと素地を膨らませる方法を取り、形の整った練上の作品を生み出す事に成功しました。
 
日本伝統工芸展、日本陶芸展で活躍を見せ、日本工芸会総裁賞、最優秀賞・秩父宮賜杯を受賞し、多くの個展を開催した松井康成は、亡くなった現在でも高く評価されている陶芸家として、中古市場でも高値で取引されている作家として認識されています。

松井康成年表


1927年 長野県で生まれる
1946年 笠間・奥田製陶所で作陶技術を学ぶ
1952年 明治大学専門部文化文芸科を卒業する
1953年 木村武山の弟子、海老沢東丘に日本画を習う
1960年 茨城県笠間市月崇寺の境内に築窯する
1968年 田村耕一に師事する
1969年 第9回伝統工芸新作展で初出品し、奨励賞を受賞する
1970年 第10回伝統工芸新作展で日本工芸会賞を受賞する
1971年 第18回日本伝統工芸展で日本工芸会総裁賞を受賞する
日本工芸会正会員に推挙される
1973年 第2回日本陶芸展で最優秀作品賞・秩父宮賜杯を受賞する
1975年 第22回日本伝統工芸展でNHK会長賞を受賞する
1977年 第24回日本伝統工芸展で鑑査委員をつとめる
1980年 『松井康成随想集・無のかたち』が刊行される
1984年 『松井康成陶瓷作品集』が刊行される
1986年 財団法人藤原啓記念館より第2回藤原啓記念賞を受賞する
1988年 紫綬褒章を受章する
(社)日本工芸会理事に就任する
1990年 第30回伝統工芸新作展で審査委員長をつとめる
日本工芸会常任理事に就任する
『松井康成練上作品集1985-1990』が刊行される
1991年 第4回MOA美術館岡田茂吉賞大賞を受賞する
1993年 重要無形文化財「練上手」保持者に認定される
『陶Vol・89松井康成』が刊行される
茨城賞を受賞する
1994年 著作『宇宙性』が刊行される
茨城県特別功績賞を受賞する
1995年 重要無形文化財を保持する人々-人間国宝新作展第三〇回記念展に出品する
1998年 明治大学リバティータワー陶壁画『人間賛歌』が完成する
2000年 勲四等旭日小綬章を受章する
2002年 著作『涅槃』が刊行される
2003年 逝去

1927年 長野県で生まれる

1946年 笠間・奥田製陶所で作陶技術を学ぶ

1952年 明治大学専門部文化文芸科を卒業する

1953年 木村武山の弟子、海老沢東丘に日本画を習う

1960年 茨城県笠間市月崇寺の境内に築窯する

1968年 田村耕一に師事する

1969年 第9回伝統工芸新作展で初出品し、奨励賞を受賞する

1970年 第10回伝統工芸新作展で日本工芸会賞を受賞する

1971年 第18回日本伝統工芸展で日本工芸会総裁賞を受賞する

00000年日本工芸会正会員に推挙される

1973年 第2回日本陶芸展で最優秀作品賞・秩父宮賜杯を受賞する

1975年 第22回日本伝統工芸展でNHK会長賞を受賞する

1977年 第24回日本伝統工芸展で鑑査委員をつとめる

1980年 『松井康成随想集・無のかたち』が刊行される

1984年 『松井康成陶瓷作品集』が刊行される

1986年 財団法人藤原啓記念館より第2回藤原啓記念賞を受賞する

1988年 紫綬褒章を受章する

00000年(社)日本工芸会理事に就任する

1990年 第30回伝統工芸新作展で審査委員長をつとめる

00000年日本工芸会常任理事に就任する

00000年『松井康成練上作品集1985-1990』が刊行される

1991年 第4回MOA美術館岡田茂吉賞大賞を受賞する

1993年 重要無形文化財「練上手」保持者に認定される

00000年『陶Vol・89松井康成』が刊行される

00000年茨城賞を受賞する

1994年 著作『宇宙性』が刊行される

00000年茨城県特別功績賞を受賞する

1995年 重要無形文化財を保持する人々-人間国宝新作展第三〇回記念展に出品する

1998年 明治大学リバティータワー陶壁画『人間賛歌』が完成する

2000年 勲四等旭日小綬章を受章する

2002年 著作『涅槃』が刊行される

2003年 逝去


松井康成代表作

『練上手大鉢』

『練上嘯裂文大壺』

『練上玻璃光壺』

『練上嘯裂瓷茜手大壺』

『萃瓷練上大壷』

『練上嘯裂文壺「黙思」』

『風白練上壷』

『玻璃光練上大壺』

『練上玻璃光大壺「輪廻転生」』

『練上玻璃光壺』

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