前田竹房斎は大阪の竹工芸家の名称で、親子に渡って受け継がれていました。
残念ながら現在は2代が亡くなってから途絶えてしまいましたが、前田竹房斎が残した竹工芸品は、竹材の美しさをいかした独自の意匠表現に高い評価を得ており、人気の高い竹工芸作家として認識されています。
初代は高級花籃の名手として知られており、その技は息子である2代へと受け継がれました。
2代は本名を房次といい、初代の四男として生まれ、父親に師事していますが修行途中で戦争により兵役に就く事になりました。
その後、独学で竹工芸を極め、前田竹房斎襲名後は天皇陛下・皇后陛下への献上品制作の栄誉を得るなどの活躍を見せます。
また、日本伝統工芸展などの数々の公募展でもあらゆる賞を獲得し、後進の指導にもあたり数多くの竹工芸家を育てた事も評価され、重要無形文化財「竹工芸」の保持者の認定を受けました。
父親譲りの竹工芸の技に竹の特性を高度にいかし、現代生活にあった創作性の高い作品を展開し、花籃や盛器、茶箱などにその力を発揮しています。