臨済宗の僧侶で、京都大徳寺塔頭真珠庵(一休和尚の寺)に入り、南山和尚から得度し、僧名を宗興、道号を文山と授かりました。
その後、兵庫県の有馬温泉郷にある浄土宗の寺院・極楽寺の住職をつとめます。
極楽寺は山号を寂静山、院号は伝法院といい、本尊は阿弥陀如来坐像となっており、伝承では593年に聖徳太子が開基したといわれています。
創建されてからこれまでに念仏の場として栄えてきましたが、何度か焼失や移転を行っており、現在の堂宇は1782年に再建されたものとなっております。
その後、西垣宗興は大徳寺の宗務総長もつとめるほどの高僧となり、生涯に多くの書画や墨蹟、茶掛などを残しています。
西垣宗興の書画や墨蹟は主に禅語を引用しており、柔らかさと力強さが融合した読みやすく端正な筆致であるのが特徴です。
また、花押も一度見たら忘れられないほどインパクトが強く、花びらのような素敵な花押となっています。
ちなみに花押とは署名の代わりに使用される記号や符号の事で、日本では平安時代中ごろから使用されるようになったそうです。