石川県出身の蒔絵師です。
蒔絵とは漆で書いた下絵に金粉を蒔いて彩る日本独自の漆の装飾技法で、少しずつ絵柄を完成させていくため、時間と根気を必要とします。
中村湖彩は本名を淳司といい、石川県には金沢、輪島、山中と3つの漆器の産地がありますが、その産地の一つである山中町で生まれ育ちました。
石川県立小松工業高校卒業し、蒔絵師・表正則に師事して技を習得します。
表正則はこの道50年の大ベテラン蒔絵師で、伝統工芸士にも認定されており、石川県立山中漆器産業技術センターで蒔絵講師もつとめています。
そんな師・表正則のもとで高度な蒔絵の技術を学んだ中村湖彩の作品は、単純に黒漆に蒔絵を施したものではなく、カラフルな色使いが特徴の蒔絵師として注目を浴びています。
蒔絵以外にも螺鈿細工や木地の素材をいかした作品も展開しており、現代感覚あふれる遊び心を感じさせる作品が高い人気を得ています。
師・表正則の伝統的な蒔絵の技法を駆使しながら、独自の作風を追求しており、花鳥を筆頭に小動物、独楽塗り、瓢箪、クリスマスグッズなど、様々な親しみやすい文様を手掛け、シンプルで端正な作品など魅力溢れる作風が特徴です。
主に棗、工房、盆、重箱など茶道具を中心に制作を行っています。