石川県出身の漆芸家で、父親から髹漆(きゅうしつ)の技法を学びました。
髹漆とは漆をへらや刷毛で素地に塗る事をいいますが、ただ単純に塗るだけですとへらや刷毛の跡が残ってしまいますので高い技術力を必要としています。
また、仕上がりには塗り立てや光沢の美しい呂色仕上げのもの、表面が潤んで見える潤み塗り、赤い色の朱塗りなどがあります。
中村宗悦はその髹漆の技法をベースとし、真塗、炉塗、高台寺蒔絵、加賀蒔絵など伝統技法を用いて草花、鳥、小動物を主なモチーフとした日本的情緒あふれる古雅で繊細で独自の表現を追求した作品を展開しており、棗、盆、茶入、香合、棚などの制作を行っています。
また、徳恩寺の中尾宗和に茶道の指導を受けており、本格的に炉縁、棗、茶箱など茶道具の制作を行っており、多くの茶人たちから愛用されています。
自身も茶名「宗恭」を拝受し、茶道準教授として茶道にも造詣が深く、淡々斎の写しにも精力的に取り組んでいます。
この他にも日本漆器協同組合連合会の主催による全国規模の漆器展示会である全国漆器展は国内の有力産地の漆器が展示即売されており、その展覧会で様々な賞を受賞するなど活躍をしています。